天変地異~戸惑いの心と感謝

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川の氾濫と流木で痛ましい被害

西日本を襲った集中豪雨は、警戒対策を上回る大きな傷痕を残しました。

★今日の四字熟語は★

天変地異(てんぺんちい)

自然界で起こる災害や、変わった出来事。

「天変」は天空に起こる変動のこと。

異常気象やそれによってもたらされる災害で、隕石、彗星、日食、月食などの天体の異変や、雷、竜巻、大雨、暴風などの気象の異変のことをいいます。

「地異」は、地震・津波・火山の噴火など
地上で発生する異変のこと。

<用例>
・慶長の初めには疫病が流行(はやり)、天変地異がつゞいた。
こんな事を仏僧や神官が神仏の怒りとして
持ち出さずにはおく訳はなかった。
(長与善郎『青銅の基督』)

・それまでの豊壌な田畑は、天変地異により一面の荒地と化してしまった。
群棲していた烏が急に姿を消したのは、天変地異の前兆ではないだろうか。
(森鴎外『灰燼』)

・新宿の歩道の上で、こぶしほどの石塊(いしころ)がのろのろ這(は)って歩いているのを見たのだ。
石が這って歩いているな。
ただそう思うていた。
しかし、その石塊(いしころ)は彼のまえを歩いている薄汚い子供が、糸で結んで引摺ひきずっているのだということが直ぐに判った。

子供に欺かれたのが淋しいのではない。
そんな天変地異をも平気で受け入れ得た彼自身の自棄(やけ)が淋しかったのだ。
(太宰治『葉』)

西日本豪雨と高校野球

西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県で7月13日、第100回全国高校野球選手権記念岡山大会が開幕した。
昨夏、今春と、2季連続で甲子園に出場したおかやま山陽には、倉敷市真備町地区から多くの生徒が通う。
同地区は4分の1が水没し、50人もの犠牲者が出た。

主将の内野手(3年)も自宅の1階天井あたりまで浸水。
今は総社市のいとこ宅から通学。被災後は3日間練習に行かず、家の後片付けを手伝っていたが、
両親から「野球に集中すればいいよ」と背中を押されて練習に復帰。
「野球をしてもいいのか、分からない状況だったので、させてもらえて感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。

真備町地区に暮らす捕手(3年)は、自宅の2階部分までほぼ浸水した。
一時は両親と車内で夜を明かした。
水が引いた後の家からは、泥まみれになったユニホームが見つかり、グラブなど野球道具も水没していた。

野球部は11日と12日、真備町地区で土砂やがれき撤去の復旧作業に参加。
初戦の岡山工戦が7月14日に迫る中、ベンチ入りしたメンバーも土砂やがれきと格闘した。

選手宣誓は、作陽の主将(3年)が務めた。
「先日の豪雨によって岡山県は甚大な被害を受けました。まだ避難をして、苦しい生活を余儀なくされている方々も、たくさんおられます。

その中で私たち高校球児が、この大会を通じて被災者の方々に勇気と感動を与えます」と宣誓した。

作陽には、直接的な被害があった選手はいなかったが、練習が思うように出来なかった他のチームを思いやり、
「こうやって野球をさせてもらっていることに感謝したい」と話した。

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あとがき

2018年の西日本豪雨被害は、豪雨時の雨そのものよりも、その後に来た土砂と水不足が被災者に追い打ちをかけた。

天変地異とも言える今回の被害は、
浸水なのに、水が引いた後を洗うきれいな水が無い。

さらに、大規模な浸水被害起きた小田川北側エリアには、避難所が4か所しかなく、
あふれた住民が指定外の避難所に再避難するという混乱も起きた。

また、約100人が避難した川辺小は2階部分まで浸水し、自衛隊などに救助され、
別の場所に移った。

「防災無線で避難を呼びかけるのはいいが、避難所が少なすぎる」。
岡山県倉敷市真備町は小田川流域の平地に戸建住宅が集中し、高層建物が少なかった。

9月1日は「防災の日」、

様々な問題をかかえた今回の豪雨被害、
1週間がたった7月13日時点でも全面復旧のめどはたっていない。

交通渋滞はまだまだ続いている。
復旧のために参加するボランティア自身の行動も見直さなければならないだろう。


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