自画自賛の意味~自己満足の世界で生きますか?

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★この四字熟語の意味は★

自画自賛(じがじさん)

自画自賛とは

自分で自分をほめること。

もちろん、自分の作品や自分自身に対し
批判的な意見を述べたり、単に自己分析を
するだけでは「自画自賛」とは言えません。

“ほめること”が「自画自賛」のポイントになります。

【説】
自分の描いた絵に自分で「賛」を書く意から。

自=「じ」と読み、自分。自分の。本人。
画=「が」と読み、絵。
賛=「さん」と読み、ものをほめるために書く
(音がきれいに整った)詩や文章。
ほめるための韻文。「讃」とも書きます。

ほめる=絵や作品などがよくできていることを評価すること。たたえる。
自慢=「じまん」と読み、他人に対して、自分が立派で優れているという表情を見せること。
絵=「え」と読み、紙などの平たい面の上に点や線色などをつけて、ものなどの形を書き表したもの。
描く=「えがく」と読み、絵に書く。面の上に線や色を使って形や印象などを書くこと。

※「賛」は、他人に書いてもらうのが通例。

<用例>
・ワタシノ母サン、ヤサシイ母サン。やたらに続けて唄うのである。私は奇妙に思った。
まるで、自画自讃ではないか。この奥さんには三人の子供があるのだ。
(太宰治『作家の手帖』)

・祖父は自分が初めて描いた風景画をとても気に入り、いつまでも眺めては
自画自賛を繰り返していました。

自分の描いた絵に、自分で賛を書くことで、
普通は、ほめるために書く「賛」は、その絵を描いた本人ではなく、他の人が、
その絵がよく出来上がっている ことを詩や文章で書くのですが、それを自分で書いてしまうのですね。

※誤用に注意!
まれに「自【画】自賛」を「自【我】自賛」と表記しているケースを見かけますが、これは明らかな誤用なので気をつけましょう。

自画自賛雑学

「そういえば昔、こんな人がいたな~」と、思ったことがあります。
それは、自画自賛の人を見たときです。

「私はこんなに仕事してる、こんなに仕事してきた」と言う人。
「私はこんなに姑と上手くやっている」と言ってくる人・・・。
どの人も、こちらが聞いてもないのに自分から言ってきます。

なぜ「私は上手くやっている」なんて聞かれてもいないのに自分から言ってしまうのでしょうか?

周りが「うまくやってる」って言ってくれないからでしょうか。
自信がないと思うから、「うまくやってるよ」ってアピールしなきゃならないのでしょうか。

自画自賛って案外、自己満足の世界で、かつ、自己憐憫や自己弁護の世界にも存在しているのかもしれません。

こんな声が聞こえます。
「ほんとうに偉い人は自分から偉いぞ!なんて言わない。
本人が言わずとも、周りの人たちがそれを語ってくれますから。」

自分は全然偉くもなんともない(と思う)んだけど、それじゃダメだから、
もっと周りに認めてもらわなきゃと思って「俺は偉いんだぞ」って言う人もいます。

自分へのご褒美おやつ
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自分だけでも自分をほめてあげたい。

誰も自分のやったことを認めてくれないとき、自分だけでも自分をほめてあげたい。

自画自賛という言葉の漢字を見ると、「自分で描いた絵を自分でほめる」ということからできた言葉になります。
要するに、自分自身で描いた絵画に「いいね!」と自分でほめていることなんですね。

それも「自分の絵の出来栄えいいわ~」と、その絵自体に心で評価を書き込んでしまっていることになります。

あなたもこれまで自分に対して
「よくがんばった!自分ってスゴイ!」
なんて心の中で自分のことをほめた経験はありませんか?

とてもつらい状況を乗り越えたときは、自分に「よくがんばった!」と言いたいですよね。
それまでの自分の頑張りに対してほめることができれば、気持ちよく自尊心が保てます。

そして、自尊心が保てると、自分に自信がつきやすくなります。

そうすると、物事がうまく動き出し、
これまでに成功したことのなかったことが達成できる自分がそこにいるかもしれません。

しかし、自画自賛するだけしてその後に努力するのをやめてしまったら、最終的には
「自分だけが自分を認めたって意味ないじゃない!」と、すべてのものごとを放棄するようになります。

つまり、自画自賛が良いか悪いかは、その人のその後の気持ちの持ちようになるということです。

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自画自賛の2つのパターンとは?

自画自賛の“ポジティブ型”と“ネガティブ型”

自画自賛には大きく分けて2つのパターンがあります。
それは“ポジティブ型”と“ネガティブ型”。

<ポジティブ型自画自賛とは>
あなたの身近な人で自画自賛しているんだけれども、どこか憎めなかったり、
どこか応援したくなったりします。

そのような人を、ポジティブ型自画自賛タイプと言います。

例えば、自分のことを褒めているけれども、
それを他人に強要するわけでもなく、自分で自分を認め、自信に満ち溢れています。

さらに素直な性格をしているので、
一緒にいると童心に帰れる・・なんていうこともあるかもしれません。

人間として、尊敬できるような人にことをいいます。

<ネガティブ型自画自賛とは>
100%自分自身をほめることができない人を
ネガティブ型自画自賛タイプといいます。

自画自賛しているんだけれども
どこか悲観的だったり、自画自賛を自分の中で完結させるのではなく、
SNSに投稿して、誰かに聞こえるようにしていることもあります。

それを聞いたり見たりしている人は、
「自分で勝手にやれよ」と思ってしまうものです。

なぜだか分かりますか?

つまり、ネガティブ型自画自賛タイプの人は、どこかに他人にほめてもらいたい!
ほめさせたい!と思っているからなんです。その気持ちがにじみ出てしまっているんですね。

ネガティブ型自画自賛に便乗して「すごいね!」とほめられたり、SNSで「いいね!」があると、
「ああ、こうすれば私は周りのひとから認めてもらえる」と勘違いし、行動がエスカレートしてしまいます。

ポジティブ型自画自賛タイプの人と比べると、ネガティブ型自画自賛タイプの人は、
どこかマイナス要素が大きく、自画自賛行動を見るだけでイライラさせられてしまうこともあります。

ネガティブ型の自画自賛タイプは、
卑屈的な性格をしていることが多いです。

卑屈的とは、自分をいじめるだけいじめています。
卑屈的であれば、自画自賛しないのではないか‥なんて思いますよね。

卑屈的な人が自画自賛するのは
「誰もほめてくれないのが当たり前、
だからこそ自分しかほめる人がいない」と思っています。

例えば、100点満点のテストで98点の高得点を得たとします。
そのとき、「98点も取れた、すごい!自分ってやっぱ天才だなぁ~」と思うのがポジティブ型の自画自賛タイプ。
しかし、ネガティブ型の自画自賛タイプは「98点か良かった、でもあと2点で満点だったのにどうしてとれなかったんだろう」なんて責めているんです。

<ほめさせようとするネガティブ型>
ポジティブ型の自画自賛タイプが自分ですべてほめる行為を完結していたのに対し、
ネガティブ型の自画自賛タイプは、自分をほめながら自分のやったことを誰かに伝え、ほめさせようとします。

自画自賛しているあの人はどっちのタイプ?

あなたの気になる自画自賛しまくっているあの人はどのタイプ?
どちらにせよ、自画自賛はその使い方によって、良いことにも悪いことにもなりそうです。

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あとがき

2018年の今、冬季ピョンチャンパラリンピックで盛り上がっていますが、

1996年のアトランタオリンピックでは、
女子マラソンで銅メダルを取った有森裕子選手がゴール後のインタビューで
こんなことを言っていました。

「メダルの色は、銅かもしれませんけれども(中略)初めて自分で自分をほめたいと思います!」と。
(ちなみに「自分で自分をほめたい」は1996年の『流行語大賞』にも選ばれています)

私は生きている自分へのご褒美に、美味しいおやつを用意します。
それだけで、幸せな気分になって、明日への活力が湧いてきますよね!

自画自賛って、すごい効力がありそうです。


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