疾風怒濤の意味~春の嵐はドラマチック?

shippuu-dotou

★今日の四字熟語は★

疾風怒濤(しっぷうどとう)
のお話をする前に

春は風が強い。人呼んで「春の嵐」

春の嵐というのは

待ち望んでいた桜も、満開になった途端
春の嵐で、あっという間に
散ってしまいましたね。

よく耳にするのが「春の嵐(春嵐)」。

“春”というやわらかいイメージの言葉と、
それと正反対の強いイメージの“嵐”。
なんとなくドラマチックな感じもします。

ところが、真面目なお話をすると、

「春の嵐」というのは、
日本海付近で急速に発達した低気圧によって
おこり、台風並みの暴風と、海岸の高波をも
引き起こすほどの強い風のこと。

全然ドラマチックじゃない・・・(-.-;)
今日は特に疾風怒濤のごとく、
吹き荒れていました。

四字熟語「疾風怒濤」の意味は

激しい風と荒れ狂う波の意。
急速な勢いのこと。
意味は、時代が激しく変化するありさま。

▽「怒濤」は荒れ狂い逆巻く波。

「疾風怒濤」の語源はドイツ語

実はこの言葉、日本語が語源ではありません。

ドイツ語のSturm und Drang
(シュトゥルム ウント ドラング)
日本語に直訳すると「嵐と衝動」という意味。

18世紀後半、ドイツで展開された
文学革新運動に象徴される時代そのものを
指していました。

それは自由や愛を求めて、旧社会の因習や
権威に反抗する激しい精神運動でした。

ドイツ人の作家にゲーテやシラーがいます。
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」は1774年、
シラーの処女作「群盗」は1781年に発表されました。

「若きウェルテルの悩み」は、
青年ウェルテルが婚約者がいる女性に
恋をする物語。

出版当初、ヨーロッパ中でベストセラーに
なりました。

当時は後のロマン主義に繋がる時代であり、
人間の内面に迫る革新的な作品から、
新たな潮流が生み出されています。

日本語訳である「疾風怒濤」という四字熟語は
グリム童話の訳で有名なドイツ文学者、
高橋健二さんが考案したものとされています。

あとがき

ドイツの文学革新運動は
時代の激しい潮流に巻き込まれ、
新たな時代を作ってきました。

私たちも、激しく移り変わる時代の波に
飲み込まれそうになっても、
溺れないようなパワーを培っていきましょう。

春休みの後は、もうすぐゴールデンウィーク!
レジャーや屋外スポーツ、ピクニックなどを
楽しむワクワクな時期ですね。

でも、もし
お出かけ前に暴風警報・注意報が出ていたら

「せっかく計画して準備して、楽しみに
していたのだから中止にはできない!」なんて
思わず、安全第一に、迂回作戦も考えておきましょう!

新しい季節に来る疾風怒濤の波に
飲み込まれないためにね。(^^)


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