温故知新とは~知識を増やすより無知を知る

今日の四字熟語は
温故知新(おんこちしん)

温故知新こそ、極めつけの四字熟語?

「温故知新」という言葉を
あなたは暗記で覚えていませんか?

古典を利用して漢文の深い意味を知ると、
さらにうなずくことがあります。

たとえば古い建造物から、
新しい建築技術を見い出したり、
過去の遺産などから優れた技術を学んだり、

ご年配の方の教えから、応用できる技術に
気付かされることもあるでしょう。

歴史を学ぶと、「なぜ今、この技術が注目されているのか?」や、「この技術の何が新しいのか?」が分かるようになります。

★今日の四字熟語は★

温故知新(おんこちしん)

古い昔のことをよく学び、
そこから新しい考えや価値を見い出すこと。

訓読では「故(ふる)きを温(あたた)めて新しきを知る」と読みます。

「故」は古いこと。

「温」という文字には、もともと皿の上に蓋をして温めなおして味わうという意味があり、そこから、復習するという意味にも派生しました。

自分の学びを温めなおして味わうという意味になります。

これを温(たず)ねて、読むのもあり、
よく研究して、という意になります。

いずれにしても、
古くから伝わる文化・古典を習熟し、
さらに新しいこともわきまえていく。

過去の知識を忘れず、大事にしなさい、ということ、古いことを学ぶ中から新しい意義を見つける、
という解釈もあります。

「温故知新」は孔子が、師たる者の資格を説いた言葉です。
『論語』為政(いせい)篇の語です。

意味は、「孔子先生はおっしゃいました。古くからの伝えを大切にして新しい知識を得て行くことができれば、人を教える師となることができるでしょう」となります。

「以(もつ)て師(し)と為る(な)るべし」
つまり、「温故知新」すれば、先生になることができる、と言うのです。

知識を増やすことより『無知を知る』

ところが、こんな意見もありました。
温故知新を強要するのはミスリードなのではないか?というものです。

若いエンジニアに古い技術情報が必要かどうかと尋ねるよりも、大事なのは「知らないことを想像できること」です。

日々の開発研究で必要なのは、知識を増やすことより『無知を知る』ことだと開発者は言われます。

先人たちがつまずいたポイントから学ぶこともあるでしょう。

温故知新にはデメリットもあります。
それは、直接的に問題解決につながる情報だけを得たら学びが止まってしまうという考えです。

『ちょっと横』にも視野を広げていくことや、それを促してくれるような存在の方が大切だと言うのです。

<例文>

・過去の分析だけに終始して、未来への展望を欠く。
温故知新というように、歴史を学ぶことの意味は、未来への展望を得ることでもあろう。
飯沼和正『あるのかないのか? 日本人の創造性』より

注:時々「温知新」と記入する人がいます。これはは漢字の間違いですので気をつけましょう。

あとがき

温故知新という言葉は、もともと先生としての人に教える資格について書かれたことなのですね。

四字熟語を、新しいものを創造するときの指針として、また、個人の座右の銘として掲げる人もいます。

たった4文字の漢字から伝わる深いお話は、よく調べると面白い発見があります。

まさに温故知新で、さらに新しい知識を得ることができました。
先人に感謝いたします。


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