前代未聞の意味がもたらす~たおやかな微笑み

zendai-mimon

前代未聞の出来事なら今後も期待する?

前代未聞今までにそのような事象がなかった、ということですが、
今後は??

文学の名作に前代未聞が出てきます。

「木曾路はすべて山の中である」の書き出しで知られる『夜明け前』の
序章に【前代未聞】が出ています。

「あれは天保十年のことでした。
全く、あの時の御通行は【前代未聞】でしたわい。」

★今日の四字熟語は★

前代未聞(ぜんだいみもん)

前代未聞の意味

今までに聞いたことがないような珍しい(大変な、または、あきれた)こと。

「前代」には時が存在します。
前の時代。先代。という意味ですね。

「未聞(みもん)」という言葉には
まだ聞いたことがない、という意味になります。

つまり、

「前代」と「未聞」
の2つの意味を合わせた事で、
前の時代まで聞いた事がない

という意味になってそこから
今までに聞いたことがないような珍しいこと
という意味になったのです。

前代未聞の意味を詳しく検証

ところが、冒頭の意味説明に
「あきれたこと」という意味があります。

テレビの報道やバラエティ番組では、
悪い意味の言葉
として紹介される場合があります。

例えば、
・前代未聞の大事件

・前代未聞の災害

などです。

しかし、実際のところ
必ずしも、否定的な・悪い
という意味で使われるわけではなく、

「型破り」

「破天荒」

「あっと驚くような」

といった意味でも
前代未聞という言葉は使われます。

例えば、
前代未聞の珍事

となると、あっと驚く珍しい事だから
前代未聞なんですね。
決して悪い意味での用い方ではありません。

島崎藤村:『夜明け前』より

この金兵衛の話が出るたびに、吉左衛門は日ごろから「本陣鼻」と言われるほど大きく肉厚な鼻の先へしわをよせる。
そして、「また金兵衛さんの【前代未聞】が出た」と言わないばかりに、年齢(とし)の割合にはつやつやとした色の白い相手の顔をながめる。
しかし金兵衛の言うとおり、あの時の大通行は全く文字どおり【前代未聞】の事と言ってよかった。

前代未聞と似たような言葉で

空前絶後(くうぜんぜつご)があります。

(空前絶後の意味を詳しく知るにはこちら↓
空前絶後はどんな意味?)

空前絶後の意味は

分かりやすく言うと、
それまでに例がなく
今後もまずあり得ないようなこと
となっていますので、

前代未聞:今後あり得るかもしれない

空前絶後:今後もまずあり得ない

といった意味の違いがあるんです。

あとがき

前代未聞の意味は

1.今までに聞いたこともないような珍しいこと

2.今までに聞いたこともないような大変なこと

でした。

つまり、ひとことで言えば、
今まで聞いたこともない変なこと。
と、なるんですね。

なぜか、笑いたくなるような
温かいイメージが湧いてきます。


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