盗人上戸~飲んべえは表情豊かな俳優

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今日の四字熟語は
盗人上戸(ぬすびとじょうご)

盗人上戸(ぬすびとじょうご)という言葉は

泥棒がジョウゴを盗んだ訳ではありません。
では、どんな意味なのでしょう?

★今日の四字熟語は★

盗人上戸(ぬすびとじょうご)

酒と甘い食べ物のどちらも好きな人のこと。
または、たくさん酒を飲んでも、顔色や状態がいつもと変わらない人のことを言います。

酒を賛美する人と餅や甘い物を賛美する人の論戦を酒餅論(しゅべいろん)と呼ぶそうですが、

盗人上戸の人は、どちらも賛美してしまうわけですから、論戦にはならず、カロリーだけを余分に摂取することになりそうですね。

上戸(じょうご)とは

「上戸」は酒に強い人のこと。酒豪。
または酔った勢いで感情が表に出てしまう人(「笑い上戸」「泣き上戸」など)。

「酒飲み」の人を指す隠語のこと。
貴族が用いた酒飲みの隠語で、「左党(左利き)」というのは庶民の間で使われた隠語です。

反対語は下戸(げこ)といいます。

上戸の種類

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お酒を飲んで出る癖に「笑い上戸」「泣き上戸」「怒り上戸」というものがあり「ひな飾り」の中にもいるそうです。
「雛人形のうち、笑い上戸・泣き上戸・怒り上戸の表情をしている仕丁姿の三つ一組の人形」がいます。おもしろいですね。

他にも以下の4つがあります。

空上戸 – 酔いが顔に出ない
呑口上戸(のみぐち) – 酔うと理屈をこねるひと
隠者上戸 – 気のふさぐ癖のあるひと
壁塗り上戸 – 酒を勧められて断るときの仕草が壁を塗る仕草に似ているひと

酒癖について

笑い上戸:もともとは明るい性格の人が「あんまり騒ぐな」と言いつけられて育てられたような場合、
普段はおとなしいのですが、お酒が入って心の中で抑えつけていたものがなくなり、普段では見られない明るさを発揮します。

他には泣き上戸、暴れる、説教をするというのは表面的には違う種類の酒癖に思えます。
しかし、私の考えですが同じ種類かなとも思います。

簡単に言えば、
「今の自分は思い通りにできていない」
「自分は正しい評価を受けていない」等、

どちらかというと本人が気付かない不安が、
酔いによって表面に出てきて、周囲に当たるものかと思われます。

<用例>
お彼岸にお萩餅(はぎ)を拵(こしら)えたって、自分の女房(かみさん)を敵(かたき)のように云う人だもの。
ねえ、そうだろう。めの字、何か甘いものが好(すき)なんだろう。」
「いずれ、何か隠喰(かくしぐい)さ、 盗人上戸なら味方同士だ。」
『婦系図(おんなけいず)』泉鏡花

あとがき

五代目柳家小さんの「禁酒番屋」の枕でも壁塗り上戸が紹介されています。

「いやぁ、もう駄目、駄目、もう飲めない…」と断る手つきは、手の平を開いて垂直に立て、上下左右に壁土を塗るような仕草になるわけです。

あなたはどんな酒場がお好みですか?

太陽が夕闇に隠れた頃、
エアコンの効いた部屋で、気の合う仲間とゆっくり楽しみたいものですね。


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