八方美人の意味~誰からも好かれたいのに嫌われちゃう

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★この四字熟語の意味は★

八方美人(はっぽうびじん)

「八方美人」の意味を調べてみると・・

どこから見ても欠点のない美人。
如才なくふるまう人付き合いの上手な人
という意味になっています。

「八方」は方角を表し、東西南北、
北東、北西、南東、南西のすべてを言い、
「どこから見ても」という意味になります。

つまり、八方美人とは
「どこから見ても美しい人」。

意味だけを把握してみると、
誰に対しても愛想よく振舞い、
当たり障りなく応じる人。

まるで聖人のような人ではありませんか。
八方美人は、違和感なく良い人と思われ、
理想の人でないかと認識してしまいがちです。

「八方美人」という言葉の使われ方

ところが日常では、
「八方美人」は悪い意味で使われることが多いです。

何故、悪い意味のように捉えられてしまうのでしょうか。

そこには
誰からも悪く思われないように、
「要領よく人付き合いをする人」がいます。

その人の、
相手に簡単に同調したり妥協したりする様子が、
かえって不信感を覚えます。

行動は悪いことをしていないように見えても、
本心なのか、疑いたくなってしまうのです。

とくに意思表示のはっきりしない日本人は
そういう雰囲気になりそうですよね。
私も含めて気を付けたいと思いました。

<例文>
・あの人は誰にでもいい顔をする八方美人だ。

・彼の話は耳に心地いいが、八方美人で一向に要領を得ない。

・そのごますり男は、上司たちとの食事会では絵に描いたような八方美人だ。

良い人でありたいがゆえの八方美人

状況とアクションが一致していない人。
どう考えても辛い状況に見えるのに、
「そんなに楽しいか?」と思える笑顔。

いつでも誰の意見にも賛同している人は、
まるで本心が見えません。
「あなたの意見はないの?」

八方美人の人は意見に賛同するのではなく、
意見はどうでもよくて、
目的が嫌われたくないになっています。

確かにツンケンされるよりは、
物腰が柔らかい人がいいし、
人当たりがいい人は付き合いやすいです。

でも、本当に物腰が柔らかい人は、
「人にどう思われるか」と、人の目を気にする
という素振りはありません。

人にはいろんな感情があるはずなのに、
八方美人にはそれが全く見えてきません。
やっぱり「本心が見えない」のです。

八方美人は相手の意見に同調するので、
争いに発展することはありません。
でも人と心から分かり合うためには、

時に争うことも必要なんですよね。
お互いに意見をぶつけ合ってこそ、
仲が深まるときだってあるんです。

もしかしたら、争うのって、面倒くさいし
疲れることもあるので、それを避けて
平和主義者になっているのでしょうか。

誰とでも仲が良く、好かれていそうに見えても、
実は心を許していないのが八方美人だったりします。

誰とでも仲良くできるのは
八方美人の長所でもありますが、その半面、
深い付き合いができる人がいないというのが、短所にもなります。

周囲にやたら気配りをする八方美人

気配りは、人に良い印象を植え付ける一番の近道。
気配りができる人は好かれる人でもあります。
でも、それが過剰だと印象はマイナスに・・・。

気が利く行動ができる人は好かれるけれど、
わざわざ気を配ってまわるのは、
受け取る側としても重く感じることもあります。

結局、アピールに映ってしまうんですね。
こっちも気を配らなきゃならないような気がして
疲れてしまいます。

八方美人な人との付き合いは、
気を配ってくれているわりに、
疲れてしまったりするものです。

相当な我慢強さの持ち主も八方美人

八方美人はいつも笑顔でいられるし、
どんな時でも怒りません。

それを突き通せるのは相当に我慢強い人です。
人は誰だって嫌われるのはイヤですし、
できれば良く思われたい。

でも、押さえきれない感情が噴き出すのも
人間というものです。

そんな人間としての当たり前の感情すら
押さえてしまえるような人は
人間ではなく、宇宙人かもしれません。

だから、我慢強い八方美人は謎ですし
怖くも感じてしまいます。

happou-bijin

ほとんどウソをついているのが八方美人?

本当の自分の意見を押さえ、
人に良く思われたい感情を隠し、
良い自分を演出している・・・という人は、

人にウソをついていると同時に
自分にもウソをついています。
人に「これってどう思う?」と尋ねられ、

今後の相手のためになると考えて
指摘した方がいいことであっても、
自分が嫌われないことが優先されます。

結局相手のためじゃなく、自分のためなんです。

人の表情が曇ることに敏感で、
ちょっとでも気になる態度を相手が見せたら、
すぐに「ごめんね」とやたら謝ってきたり、

「今の気に障った?」とか、
相手の気持ちの確認にしつこく、
人がどう思っているか気になって仕方がないのです。

八方美人は断れなくて利用されやすい

「誰かの役に立てることなら」と
頼まれごとを引き受けたからといって、
相手に良い印象が残るわけでもありません。

八方美人ゆえに、自分で自分の首を締めている
こともわかっています。
なのに、やめたくてもやめられない。

意思や主張の出し方がわからないのです。
自分をコントロールしすぎて、
元に戻せなくなっています。

そして、いつか心が悲鳴をあげるでしょう。
性格の良い人を演じているのに、嫌われてしまう・・。
人に親切にするのも、賛同するのも自分のため。

いくら表面的には行動されていても、
行動に気持ちが伴っていないのって、
周りの人は敏感に感じるものです。

あとがき

会社の同僚で、
明らかにいつも口裏を合わせて喋っている人がいました。

どんな人にも愛想が良い人で、
それが際立ったのが
先輩にいつもくっついていること。

慰安旅行でも、
先輩と同じアクセサリーを旅行バッグに付け、
行動もほとんど一緒に付いて歩きます。

会話も「私もそう思う」と同調してばかり。
当時、自分の意見はないのかしら?と
私は不信に思ったものです。

彼女が退職するとき、
先輩はあっけらかんと
肩のコブが取れたような表情をしていました。

八方美人の良いところを生かそう。

どんな人ともそつなく付き合える、
というところは八方美人のメリットです。

たとえ厳しい言葉でも、
正直な気持ちを話すことで、
相手に新たな気づきを与えることもあります。

そういうとき、
人から感謝され、距離感も近くなるもの。

勇気を出して自分の意見を言うようになったら、
もと八方美人さんも、
新しい人生の出発があるかもしれません。


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