平身低頭~謝ることから感謝への移行は難しいのか

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今日の四字熟語は
平身低頭(へいしんていとう)

子どもは周りの大人を見て育つ

子どもは親や先生など、周りの大人を見て育ちます。

人徳を備えている大人が上に立つことが、
よりよい社会を育てていくものだと思っております。

しかし、真の人徳を備えている人はどれくらいいるのだろうか。

★今日の四字熟語は★

平身低頭(へいしんていとう)

平身低頭とは

ひれ伏して頭を下げ、ひたすら恐縮し謝ること。体をかがめ頭を低く下げて、恐れ入る意から。

「平身」は頭が地面につくほど身を低くすることで、「低頭」は気持ちを表すために頭を低く下げることを表す四字熟語です。

「体を低くかがめ、頭を下げて縮こまる」意から「とにかく謝罪すること」を意味するようになりました。

「平身低頭」は感謝するときに使える?

平身低頭で謝る。
平身低頭の姿勢でいる、などと使います。

日常会話でも使うことが多い表現ですが、
「平身低頭」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。

「平身低頭」は非常に恐れ入ったさまを表す場合に使います。
しかし、「平身低頭」は感謝・お礼に対しては使うことはほとんどありません。

ほとんどの場合は、謝罪・お詫びの際に使う表現になります。

頭を下げる行為なので、依頼・お願いでも使えそうが気がしますが、通常の依頼では「平身低頭」は使用しません。
「お許しを乞う」場合には使います。

この場合は実質謝罪・お詫びを意味しますので、
やはり「平身低頭」は基本的に謝罪の際にのみ使う、というのが正しい解釈です。

例えば、
「父が大事にしている壺を割ってしまった。
許してくれるか分からないが、平身低頭して詫びるしかない」などと言えます。

難しい意味をイメージしがちですが、意味は単純なので、しっかりと覚えておけばすぐにでも使うことができます。

言い回しとしては、

平身低頭する
平身低頭の姿勢で
平身低頭して詫びる
平身低頭して謝る
平身低頭される

などとなります。

注:「平身頭」と書くのは単に漢字の間違いなので気を付けてくださいね。

<用例>
・幕の外の三味線の音と共に、演じ終ると手拭てぬぐいで汗を押えながら、一同の前に平身低頭した。(前田河広一郎『三等船客』)

・医師がすでに迎えにきていて、平身低頭して妻をつれて帰った。(阿部牧郎『誘惑魔』)

・私は奥の間にかくれていたが、母は玄関で文字通り平身低頭して謝まっていた。(大岡昇平『幼年』)

・だからといって、平身低頭してあやまるのは、ぼくには耐えられなかった。
ぼくには謝罪しなければならぬ理由など、何もないのだ。(眉村卓『不定期エスパー7』)

「平身低頭」「低頭平身」も意味は同じになります。
例えば、「ミスをして社内に迷惑をかけてしまったので、低頭平身でいた」などと言えます。

<類語>
三拝九拝(さんぱいきゅうはい)
(意味:何度もお辞儀をして、お願いすること)
「認められるまで三拝九拝して頼む」

あとがき

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「平身低頭」は謝るときに使いますが、
腰を低くして対応するとき、
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉で表現されることがあります。
この言葉の作者は不明ですが、五七五の俳句としても有名です。
しかし、この俳句の意味の、なんと分かりやすいことでしょう。

「実る」とは、経験を積んで徳を持つこと。
「頭(こうべ)を垂れる」とは穂先が垂れた稲穂のように腰が低いということ。

つまり、徳のある人物ほど謙虚であるというたとえなんですよね。

最近の世の中、謙虚とはほど遠く、頭がまっすぐ過ぎる人が多いと思うのです。


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