一路平安の意味~はなむけに贈る言葉

今日の四字熟語は
一路平安(いちろへいあん)

お餞別の表書きに、「一路平安」と書くことがあります。
どういう意味なのでしょう?

お餞別の表書きは何を書く?

「お餞別」は上から下へ贈るときの文字として使いますが、お餞別に使われる「一路平安」は、新しい土地でよい毎日をお過ごしくださいという意味を持っています。

そして、お餞別を贈ろうと思っている相手が、もし会社の上司なら、上司は部下の面倒を見るのが当然ですから、贈り物の是非を気にする必要はありません。

お世話になっていて、どうしても気持ちを贈りたいのであれば、表書きは「感謝をこめて」「御礼」などとします。

☆お餞別の「餞」の字は「はなむけ」と読みます。
「馬の鼻向け」と言う意味です。

昔、旅に出る人の馬の鼻を行く方向へ向けて道中の安全を祈り、饗宴を催したり、旅立つ人に品物や詩歌などを贈ったのがもともとです。
「うまのはなむけ」が餞別の意となり、それが「贈り物」に転用されたといわれています。

新婚旅行の餞別について

新婚旅行への餞別は、帰ってこなくてもいいよ・・・が含まれますから、『寿』だけにして紅白の水引で贈りましょう。

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★今日の四字熟語は★

一路平安(いちろへいあん)

仕事が順調に進むこと。また旅立ちにあたって前途が無事平安であることを祈っていいます。

☆旅立つ人の無事を祈る言葉
「ご無事で」「気をつけて」の意

「一路」は、一筋の道
「平安」は、何事もなく穏やかなこと

人の旅の安全を祈願する時に使用する良い詞(ことば)
旅行に限らず、人生の歩みに対しても使えます。

中国では、相手が外出するとき、送り出す人が用いる言葉は下記になります。

外出する距離によって、言葉が違う中国の言葉
(遠くへ行くとき)「祝ni一路平安
(近くへ行くとき)「路上小心」

日本語では、外出する距離に関係なく、送り出す人が「気をつけて」と言います。

「気をつけて」の意味は中国語の「路上小心」に近いと思いますが、
一路平安」は日本語で何と言うか、辞書で調べると、「道中ご無事で」が出てきました。

しかし、この言葉はお手紙で書く文章のように思います。
口語ならば、「一路平安=気をつけて行ってらっしゃい」が分かりわかりやすいでしょう。

中国では相手が外出する時、送り出す人が一般的に下記のような言い方となります。
遠くへ行く時は「一路平安.一路順風」で、近くへ行く時は「路上小心」と言います。
外出する距離によって、言い方が違うようです。

「気をつけて」の意味は中国語の「路上小心」に近いますが,
「一路平安」は日本語で何と言うのか、辞書で引くと、「道中ご無事で」が出てきました。

日本人は今でも「道中ご無事で」をたまに使います。
少し形式ばった場合とか、長旅などですね。
子供や若者が使うと少々きまり悪いですが・・。

ある日本語先生のブログの中に、「一路平安=気をつけて行ってらっしゃい」と書かれていました。

「気をつけて」と「気をつけて行ってらっしゃい」の留意点は意味上ではなく立場です。
「行ってらっしゃい」には年長者が年少者を思いやり心配し気遣う意味が含まれますので、年上の人に使うと失礼になりますね。

子供が玄関のドアに手をかけて「行ってきます!」
そしてお母さんが「行ってらっしゃい!!」
家族や友人など関係が身近な場合によく使いますよね。
それは、ここから身を案じている/心配しているからです。

あとがき

お餞別の表書きに迷ってしまうときがありますよね。

そんなとき、お金で贈るなら「贈りたい品物+料」と書く。

ゴルフボールを贈るなら「ゴルフボール」、お金なら「ゴルフボール料」と書きます。
お酒と肴(さかな)を贈るところをお金で贈る場合は、「酒肴料」です。

転勤などでも表書きに迷うことがあります。
明らかに栄転の場合は「御栄転御祝」の方が喜ばれます。
そうでない場合は「御餞別」より、「御礼」の方がよいと思います。

また、寂しい気持ちで退職する人に「退職祝」の表書きは考えものです。
相手の気持ちに沿わなくなると思います。

なお、「退職祝」も「御餞別」もお返しはいりません。


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