曳尾塗中の意味から~自由に生きていたい!

eibi-tochuu

だいぶ前のことですが、毎朝観るテレビの中に
突然、こんなセリフが飛び出してきた。

「俺達出てくるの早くねぇ?」

早朝の6時頃、心の中に突然笑いが生まれた。

毎朝流れるテレビのコーナーアニメーション、
『紙兎ロペ』のセリフが突然始まる・・
本編は50分くらいあとなので、
確かに出てくるのは時間的に早いけれど、それが楽しい!

朝の短い時間の、親しみ深い「紙兎」と「紙りす」。兎を飼っていた近所の家を思い出した、なつかしい。

★今日の四字熟語は★

曳尾塗中(えいびとちゅう)

曳尾塗中(えいびとちゅう)
=尾を泥中に曳く

曳尾塗中の意味は、高い地位に上がって束縛されるよりも、
たとえ貧しくとも自由な生活をするほうが楽しいというたとえ。
または、そのような発想。

「曳尾」は尾をひく意で、
「塗中」は泥の中というの意味。

<概訳>

荘子は河で毎日釣をしていた。
ある日、楚の王が有能な荘子を徴用しようと家来を派遣した。

「楚(そ)の国のために一肌脱いで いただけないでしょうか」
荘子は釣竿を握ったまま振り返らずに答えた。

「楚の国には聖なる亀が祭られていて、
死んで三千年の間、王家の箱に納められ廟堂に 奉られているそうですね。

しかしその亀にしたら、死んで骨を残して祭られることと、
生きて泥の中で尾を引きずって自由に動きまわることと、どちらを望んだでしょうか?」 

家来は言葉につまった。荘子は言った。
「お引き取り願います。私もまた泥の中で尾を引きずっていたいのです」

わかりやすく言えば、
亀にとって、占いに使われて、死んだ後の甲羅を大事にされるより、泥の中で生きていた方がいいということ。

つまり、偉くなって、自由を失うより、貧しくとも自由に生きる方が良い、と言う意味です。

<出典>
『荘子』「秋水」

<例文>
曳尾塗中の気持ちで生きる。

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あとがき

荘子の言う亀の気持ちはどんなだろう?
死んで高い地位に上がっても、
一人ぼっちじゃ、どんなにか寂しかろう・・

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『紙兎ロペ』は2012年11月16日からは朝の情報番組の合間に放送されていた。

東京都葛飾区と設定された下町のレトロな風景をバックに、ロペとアキラ先輩をはじめとした
紙でできた動物のキャラクターが繰り広げる「ゆるい」会話を中心としたアニメ。

ストーリーは、日常な風景を描き、
ほとんどのエピソードは、ゆるい会話の後、笑いで〆る。

ロペ(ウサギ)は地元をこよなく愛するその日暮らしの都立葛飾西高校2年生。
ロペの先輩に当たる3年生の紙リスのアキラ先輩からは主に「お前」又は「おめー」と呼ばれているが、
アキラとつるんでたびたび映画館へ出かけ、その度にアキラのわがままに振り回されている。

口癖は「えっ?マジっすか?」「あざーっす」「あのー、○○なんですけど・・」など。

スポットアニメ『紙兎ロペ』を観ながら
不思議に惹き込まれるこのひとときを
大事にしたいと思った。


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