お茶会に参加した。
彼女の動作は誰が見ても品行方正で
美しい!
★今日の四字熟語は★
品行方正(ひんこうほうせい)
「品行」でその人の行動や振る舞いのことを指します。
「方正」とは、無茶な振る舞いをしない、
心や行動が正しく整っている様子のことです。
意味:心のあり方や行いが正しく立派なこと。
合体する二つの熟語
この四字熟語には二つの熟語が合体し、
それぞれに意味があります。
「品行」とは、道徳的な基準から見た行いを言い、いつもの振る舞いや
生活態度が含まれています。
「方正」は、きちんとして正しい意。
行いだけでなく心も正しい状態であるという意味合いがあります。
つまり、品行方正とは、
「日頃の態度が整っていて正しいことや、その様子」を表し、人のきちんとした性質や
振る舞いなどを述べる場合に用います。
「品行方正」の由来
「品」はその人の人柄や人となり、「行」は行いのことですが、
四角という意味もあることから、しっかりしているという意味にもとらえられます。
「品行方正」の出典について
このままの言葉での出典は昔の中国や日本の書物には出てきません。
そこから考えると、
似たような意味合いの言葉から派生して
日本で出来上がった四字熟語であると考えられます。
元になった言葉としては
紀元前の中国の春秋戦国時代の政治家、
管仲の思想をまとめた書物の『管子』の中に、「身行方正」(みずから行うこと方正)という表現があります。
「品行方正」のイメージ
品行方正という言葉はよく耳にしますが、
具体的にはどのようなことを表しているのでしょう。
『品行方正な人』のイメージ
・落とし物をすぐに交番に届ける人
・ゴミのポイ捨てをしない人
・ズルをしない人
ただし、行いだけは立派でも
裏に悪意や打算があるという人は
「品行方正」ではありません。
心身ともに等しく立派であってこそ、
初めて「品行方正」だと言えます。
<「品行方正」の例文>
・彼女は品行方正で礼儀正しく、目上からの評判が高い。
・あの品行方正な彼がウソをつくはずがない。
・兄弟のうち弟は道楽者で遊び呆けてばかりいるが、兄のほうは品行方正で
羽目をはずすようなことはしない、
正反対の性格だ。
<「品行方正」の使い方>
基本的には、「◯◯は品行方正だ」とか、
「品行方正な人」というふうに使います。
注意しなければならないのは、
「品行方正」という言葉自体が
「正しい行いや態度」という意味をもっています。
つまり「品行方正な態度」とすると、
『「正しい行いや態度」な態度』となり、
「態度」が重複するので、正しくない日本語になってしまうので気をつけましょう。
最近では、こんな使われ方も
もともとの意味としては、まじめで爽やか、
後ろめたいことがなく優等生的な振る舞いを指すのですが、最近では逆説的にとらえて、
マイナスイメージとして使用する場合があります。
まじめで非の打ちどころがないような人物をつかまえて、「あの人は品行方正だから」と
あえて言うことで、
「まじめ過ぎておもしろくない」
「まじめ過ぎて融通がきかない」
「優等生ぶっていて腹が立つ」
という意味合いで使用するのです。
たとえば、校則で禁止されているカラオケなどにクラスのみんなで行こうとしたとき、
クラスの中で優等生と思われているまじめな生徒に対して
「あの子は品行方正な子だから誘っても来ないんじゃない?」と言って誘わなかったり、
あえてからかったりするのです。
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言いますが、度を超えてまじめに見える、
優等生のように振る舞う態度が他人からの反感を買っていると考えられます。
あとがき
言葉は生きています。
自分ではわかったつもりになっていましたが、時の流れとともに、
言葉の使われ方が複雑になってきました。
知ったかぶりで使ってしまう前に、
しっかりと周りの状況を判断して、
正しく使えるようにしたいですね。