★この四字熟語の意味は★
不撓不屈(ふとうふくつ)
強い意志をもち、どんなに困難な状況にあっても挫(くじ)けないこと。
訓読みでは【撓(たわ)まず屈(くっ)せず】
「不撓(ふとう)」は、たわまない、という意味で、別の言い方では「くじけない」です。
「不屈(ふくつ)」は、かがまない、という意味で、別の言い方では、これまた「くじけない」です。
ですから「不撓不屈」は、「くじけない」を二語重ねて強調した表現になります。
意味は「どんな困難にあってもひるまず、くじけないこと」であり、困難に負けない強い意志や精神を表す言葉となったのです。
出典:『漢書』
中国の『漢書』に「不撓不屈」の四字熟語が使われています。
楽昌(ガクショウ)篤実、不撓不屈。
「楽昌は篤実(とくじつ)で、不撓不屈の人であった」と出ています。
(楽昌は楽昌侯となった王商のこと)
<例文>
・不撓不屈の精神で苦境を乗り切る
・彼女は不撓不屈の努力で見事に夢を叶えた
・器用な性分ではありませんが、どんなことにも常に不撓不屈の姿勢をもって乗り越えてきました
不撓不屈の二人の日本人
貴乃花が語る四字熟語
1993年、貴乃花親方が1993年に大関に昇進した時、
「不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で相撲道に精進いたします」と、初めて口上に四字熟語を採り入れました。
この「不撓不屈」は、先代(貴乃花)が『おまえにはこの言葉が合っている』と考えてくださったもの。
その言葉には『どんな困難な壁もぶち破っていく不屈の精神を持て!』という意味があります。
今は当たり前のようにある女子サッカーだが
2011年・FIFA女子年間世界最優秀選手の澤穂希さん。
彼女の自伝『ほまれ』より
女子であるため少年サッカーの東京都大会には出場できませんでした。
20歳の時には不況と女子サッカーの人気低迷でプロ契約を打ち切られました。
米国移籍に活路を見出しましたが、ホームシックに陥ってしまいました。
アテネ五輪予選では試合を前に、右ひざに大けがを負ってしまいました。
それらを、おそらくは「不撓不屈」の精神で乗り切り、道を切り開いて来ました。だからこそ、仲間には言えるのです。
「苦しい時は私の背中を見なさい!」。
ヨオッ 『日本一!!』。
イヤ 『世界一!!!』。
穂希さんの名前は、
1978年お米が不作でお米がいっぱい採れますようにとの願いで命名されました。
6歳の時初めて蹴ったサッカーボールがゴールした瞬間がきっかけとなり、
彼女はサッカーの虜になります。
座右の銘は「夢は見るものではなく叶えるもの」
その通りFIFA女子ワールドカップ2011年ドイツ大会優勝を実現。
逃げ出したくなるほど苦しい思いをするときも、
自分で見つけた大好きなことだから、
サッカーをやめようと思ったことは一度もない。
13歳でトップチームに合流って凄い。
アテネ五輪予選の北朝鮮戦は彼女のハイライト。
一度ご覧あれ。
あとがき
平成の宝、貴乃花と澤穂希。
別々のスポーツ界で活躍した二人には、自分が信じた道を貫く自信があった。
それが今も確実に続いています。
2018年、日本の相撲界では前代未聞の旋風が吹き荒れています。
良かれと思ったことが裏目裏目に出たと思っている相撲ファンも少なからずいることでしょう。
そんな中、過去のインタビューで貴乃花がこんな返答をしていました。
それはどんなスポーツマンもうなずく答えではないでしょうか。
弟子の相撲について、貴乃花はこう、語ります。
「緊張も何も、親方になって初めて先代の気持ちがわかりました(笑)。もうね、自分が(相撲を)取ったほうが全然楽ですよ」と。