今日の四字熟語は
恐悦至極(きょうえつしごく)
時代劇にみる日本の敬語
「殿にはご機嫌麗(うるわ)しゅう、恐悦至極に存じます」
「お褒めにあずかり、恐悦至極にござりまする」など。
大河ドラマや時代劇などで「恐悦至極に御座います」「恐悦至極に存じます」という言葉が出てくることがあります。
この「きょうえつしごく」とはどういう意味でしょうか。
この、「恐悦至極」という四字熟語の意味を現代風に表現すると、たった4文字の漢字がこんなふうになります。
「とても嬉しいけど、偉い人の前では、Vサインを出したり、ガッツポーズしたりすることはとてもできません。
でも心の中で大喜びしています」と言っているのですね。
★今日の四字熟語は★
恐悦至極(きょうえつしごく)
「恐悦至極」は普段の日常会話ではあまり頻繁に用いられていませんよね。
しかし、ビジネスや改まったシーンでは用いられることのある言葉でもあります。
恐悦至極の意味は、字のとおり、「恐れながら、私は悦びの極みにいます」ということ。
もったいない喜びが極限まで達している。
物凄く嬉しく感謝している。
主として、目上の人になにかしていただき、その感謝に使います。
また、感謝に値するほど、非常に嬉しい場合にも使います。
「恐悦至極」の語源
この言葉は、「恐悦」と「至極」の2つの言葉の組み合わせからできています。
「恐悦」とは、相手の好意に感謝し喜ぶこと。
「至極」とは、強調する事。とても、非常に。「きわめて、最高に」など。
「大変嬉しく思います」
つまり、「恐悦至極」とは「この上ないほどの喜び」を表す言葉であり、主に目上の人に対して用いる謙譲語です。
※謙譲語:目上の人に対して敬意を表して表現する語
意味は、恐縮してやまない様子であり、相手に対して、敬意をこめて感謝の意を述べる際などに用いられます。
【注意】「恐悦」は「恭悦」とも書きます。
<「恐悦至極」の使い方・例文>
「格別なるご恩情を賜り、誠に恐悦至極に存じます」
「多くの方々のご賛同を得てこの会を発足できましたこと、誠に恐悦至極に存じます」
「本日はお招きに与り、恐悦至極に存じます」
【敬語】について
『ご苦労様』は目上が目下に言う言葉です。
目上に『ご苦労様』と言いたい場合、どう言い換えればいいでしょう?。
目上をねぎらう、それ自体が誤りとなります。
ねぎらうとは、上が下にする行為です。
下の者はただ感謝し、素晴らしい仕事ぶりに敬意を表すれば良いのです。
また、「お世話様」はいけません。
気楽に「アーリガトさん」みたいと言っているようなものです。
「お世話になりました」と、目上の人にはきちんと略さずに言いましょう。
ありがとうございました
感謝しております
お世話になりました
などを組み合わせて使って下さい。
あとがき
恐悦至極という言葉を耳にするのは、時代劇が多いですよね。
この「恐悦至極」は外国でも使うのでしょうか。
ちなみに英語にすると、下記になります。
extremely delighted
「extremely」は「非常に、大変」を表し、「delighted」は「たいそう喜んで」という意味を表している英語です。このことから、「恐悦至極」は英語で「extremely delighted」と表現することができます。
日本の時代劇のような大袈裟なイメージとは違いますが、きっと、そのお国柄の雰囲気が出るのでしょうね。