音吐朗朗の意味~参拝時のお祈りマナー

異様な祈り声が‥

日本には八百万(やおよろず)の神様が祀られている神社がたくさんあります。

箱根神社にお祈りに行ったときのことです。

関東総鎮守の箱根の神域は、山の上の方にあるので、いつ詣でても清々しく、浅草寺のような観光地さながらの騒然とした賑やかさはありません。

しかし、箱根神社は有名な神域でもありますので、詣でる参詣客もそれなりにいらっしゃいました。

私も電車を乗り継ぎ、バスに乗り、雄大な自然を感じながら箱根神社に向かっていました。
そして、拝殿に到着し、他の参詣客の邪魔にならいように、かなり端っこの方でお祈りをしていました。
もちろん、端っこでも、心の中は大神様の大前にいるつもりでお祈りしていました。

すると、ふと耳にする声らしきものが気になってきたのです。

参拝時のマナー

神社には様々な参詣客がいらっしゃいます。
ある意味では公共の場とも言える場所ではないかと思うわけです。
ふと、声をする方をチラ見しました。(笑)

私の想像では年配の信心篤い方?といった姿を想像していたのですが、
そこでお祈りしていたのは、20代くらいのうら若き女性でした。

もちろん、神社という神域で祝詞を上げることが、いけないとは申しません。
むしろ、正式なお祈りとしては祝詞も経典もあげることが良い場合も多々あります。

たとえば、結婚式をされる方、七五三のご挨拶に来られる方、さらに宗教的な意味は持たない一般参詣の方等々。
様々な方がお詣りに来られます。

どんな人でも来るもの拒まず、去るもの追わずの自由で大らかなところが神社の良いところでもあります。

そんななかで音吐朗朗、大音声でお祈りを、しかも真ん中で行っています。

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もちろん、お祈りしていた女性に悪気はないと思います。
ただ、一心に真心を込めて、己の信じる作法で真面目にお祈りしているだけなのだと思います。

私はその気持ちは非常によくわかるのです。
大神様に真っ直ぐに向き合いたいという気持ちもよくわかるのです。

箱根神社を始めとして有名な神社は、とりわけスピリチュアル系の雑誌や人が紹介することで、多くの参詣客が訪れるようになりました。

そんなとき、色んな人が集まる神域を穢すことなく、仲良く共有していくためには、
マナーをわきまえることも必要なのではないかなと思ったのでした。

★今日の四字熟語は★

音吐朗朗(おんとろうろう)

音量が豊かで、遠くまではっきりと聞こえる様子。
はっきりとしてさわやかなさま。

説:主に詩や文章を読み上げる時に用います。

「音吐」は発声や音声であり、また、声の出し方をいいます。
「朗朗」は声が高く澄んでいて、離れていてもよく聞こえること。

<用例>

・朝からうがいすること両三度に及び、音吐朗々、さすがの視学官殿をうんと唸うならせておったとこなんだ。
(『若い人』石坂洋次郎)

音吐朗朗、爽やかに謡うと、腹の中の物に触れてピンと響いたのであろう。
(『今川義元』幸田露伴)

・その詩吟は子供たちには奇態な音声としか思えなかったが、たしかに音吐朗朗たるものといえた。
(『楡家の人びと(上)』北杜夫)

あとがき

神社によっては、
「私はこの神社の神様とは仲良しだから」という理由を述べて、神社の石を勝手に持ち帰ったり、ご神木に抱きついたりされる方もいらっしゃるようです。

親しみたい気持ちは本当によくわかるのですが、如何にスピリチュアル的な信念があるといっても、それは遠慮すべきだと思うのです。

パワースポットや開運行動ブームの流れからなのか、昔に比べて観光地気分の方も多くなってきているようです。

分別がない世代ならまだしも、経験豊富な高齢者達が参拝の手順やマナーなどを考えず、ただそこに行って観て廻るだけの人々‥。

神や仏にたいする礼儀もありません。

神社巡りをしている時、マナーのなってない高齢者達に必ず遭遇するので、ついグチってしまいました。(;´д`)ゞ


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